入学式が終わった後は、一気に体の力が抜けた。

 家に帰って居間のソファーの上で横になっては、昼寝でもしたくなるほどに体全体から眠気が現れてきていた。

 そのとき、ピョンと猫のブンジがソファーに飛び乗り、横になっている私の体に登ってきた。

「ブンちゃん、重いし、そこは痛い」

 容赦なく体重をかけた、あのかわいいおみ足が私のお腹にめり込む。

 苦しいし痛いのに、でも私は払いのけない。

 痛さよりも、ブンジが側に来てくれた事の方が嬉しかった。

 ブンジは私のお腹の柔らかいところを、足でモミモミし始める。

「おっ、マッサージしてくれてるの」

 私もブンジの頭を撫で、されるがままになっていると、ブンジは何かを伝えたそうにニャーと一言発した。

「うん、そうなの。今日は張り切りすぎちゃった」

 何を言ってるかわからないのに、私は都合よくブンジと会話する。