はっきりしていて、自分に自信をもっている。

 そして二人ともどこか気品があった。

 希莉ははっきりとした二重の目が大きく、特徴のあるアイドル的なかわいらしさがあり、柚実はそれに比べてすっきりしているが、顔のパーツのバランスがよく、整った顔つきだった。

 私といえば、どうだろうか。

 不細工と言われるほどではないが、平均的な普通の顔ではあると思う。

 父も母もかわいいとはいってくれるけど、親の贔屓目なのであてにはできない。

 この二人に挟まれたら、ぱっとしないかもしれないが、愛嬌を振りまけばそこそこいけるかもしれない。

 とにかく、中身で勝負できるようにいい子になれば、きっと嫌う人はいないだろう。

 またこの二人と一緒に居れば、私もそれなりの価値をもって目立てるかもしれない。

 色々と計算高い事も頭によぎり、私は二人の様子を見ながら合わせていた。

 すぐに打ち解けて、グループができたことに私は安心した。

 希莉と柚実と知り合ったお蔭で度胸がついて、その後も何人かの女子生徒とも声を掛け合うこともでき、順調なスタートが切れた。

 入学式も安心感の中で迎えられ、気分的にもワクワクとした楽しさで一杯だった。

 担任も悪くなく、気軽に話せそうな雰囲気があった。

 入学記念のクラス写真も撮り、無事に事が済んだ。

 これで高校生活も安泰だ。

 私はきっと楽しい高校生活が送れる。

 そう、この時は全てが輝いて見えていた。

 先に何が待っているかも知らずに──。