「この前は違った」

「この前…って、」

「ゆあが、好きな人いるって言ったとき。

…なんか無性に悲しいし、悔しいし、腹立つし」

「…?」


なんかもう、本当に…何が起きてるのか。

その文脈じゃ私、勘違いしちゃうよ。


「好きな人、誘ったんだ」


光に照らされた横顔がこっちを向いて、目が合う。

火花が散るように。

鼓動とおはやしの音が混ざりあって…


「…ゆあのことが好きです。

叶わないけど、好きでいてもいいですか」


まったく、聞こえなくなった。