【短編】裏あり男女の初愛




「前にさ、好きな人誘えばって言っただろ」

「結局誘わなかったんだね?」

「誘ったよ」


どうなったんだろう。

詮索してしまう私をよそに、隼人は続けた。


「いとこが結婚するってきいたときさ、

俺、悲しくなかったんだ」


日もだんだん暮れてきて、隼人の顔が見えにくい。

見えても、言葉の意味はわからなかっただろうけど。


「悔しくもなんともなくて。普通におめでとうって言えたし」

「好きなのに?」

「好きだったはずなのに。

…けど俺にとって、あいつは憧れだったんだって気づいた」


そこで言葉を切った隼人は、息を吸って口を開いた。