「前にさ、好きな人誘えばって言っただろ」
「結局誘わなかったんだね?」
「誘ったよ」
どうなったんだろう。
詮索してしまう私をよそに、隼人は続けた。
「いとこが結婚するってきいたときさ、
俺、悲しくなかったんだ」
日もだんだん暮れてきて、隼人の顔が見えにくい。
見えても、言葉の意味はわからなかっただろうけど。
「悔しくもなんともなくて。普通におめでとうって言えたし」
「好きなのに?」
「好きだったはずなのに。
…けど俺にとって、あいつは憧れだったんだって気づいた」
そこで言葉を切った隼人は、息を吸って口を開いた。

