空気にはさとい方だ。

俗に言えばモテる方だし、受け止め慣れているから。

千夏ちゃんへの注意をそらしたら、

どこからか違う空気を感じた。

なぜだかわからず、その元を探すと。


その人と私の間を、ざあっと風が吹き抜けた。

一瞬、咲いてもいない桜が空に舞ったような気がして。

その先で目を伏せたその人が、もう一度顔をあげる。そして…



目が合った。


って言うより、火花が散ったみたいだった。

ショートするって、たぶんこういうこと。


そっかあの人、…恋してる。


なんとなくわかったような気がしたのは、

同じ気持ちを知ったから、だったのかな。