【短編】裏あり男女の初愛




大きな鳥居をくぐると、電光が明るい露店が並んでいる。

隼人が口を開いたのは、しばらく歩いてからだった。


「来てくれてありがとう、いきなりだったのに」

「そうそう、びっくりしたんだよー?」

「顔を見たら言えない気がしたから。

…ゆあと会って気づいた、俺大事なこと話すの苦手」


また間ができる。でも嫌じゃない。

周りはにぎやかなのに、世界中のここだけ静かだ。


「…大事なこと?」

「好きな人のこと」


好きな人。

そうきいて、胸がじんわり苦くなる。