【短編】裏あり男女の初愛




「…人の彼女に手出さないでください」


氷点下の声が聞こえた。

おそるおそる目を開けると、隼人が…男の人の腕をつかんでいる。


「いッ…彼氏持ちならそう言えよ!」


絵にかいたような捨て台詞を残して、二人組は去っていった。



「大丈夫?…じゃねえか」


隼人らしくない戸惑った様子で案じたあと、腕が背中にまわる。


「…怖かったよな、すぐ見つけられなくてごめん」


体温が心地よい。

さっきまでとはまったく違う鼓動が始まる。

彼女、って言ってくれたのも一因。