「…夏祭り?」


プリントの束から抜け出たチラシに、隼人が反応する。

…しまった。家に置いてたのがまぎれたか。


「…うん、二週間くらい先なんだけど」


こんなタイミングで気づかれたら、


「隼人も好きな人誘えば?そういえば最近話きいてないね」


ウソつくしかないじゃん。


「あーうん、どうしようかな」

「なに弱気になってるの?らしくないなー」


からかうように言っても、隼人はうなったまま。

早く決めてよ、そうしないと…


まだ間に合うと思ってしまう。