日差しが明るくなっても、風はまだ冷たいまま。

桜舞い散る卒業式なんて、この街では幻想みたい。


こんな日でも、想いの全てをかける人たちはいて。


「ヤバいよゆあ!かっこよすぎて熱でる!!」

「大丈夫だよ、千夏ちゃんみたいな人は風邪引かないって言うよ?」

「ねえそれバカってこと!?」

「…」

「黙んないで!!」


友達の千夏ちゃんも、もれなくその中にいる。

恋する千夏ちゃんを後押しするのが、私の役目。

…これでも応援はしてるよ、一応。