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---キーンコーンカーンコーン…
「美里、今日は宿題サンキューね!本当に助かったよ〜〜。」
「いいよいいよ!それより今日、部活がはじまるの、早いんじゃなかった?早く陸上部行かなきゃ先輩に怒られるよ!」
「あっ!そうだった!!美里〜〜神かよ〜〜ありがとう、また明日ね!美里も吹奏楽がんばれ!」
「我こそいざなぎの神である〜〜。ありがとう〜〜!またあした!」
そう、私は吹奏楽部に所属している。
私たちの吹奏楽部は毎年全国大会に出場し、金賞を獲得している、いわゆる強豪校ってやつだ。
小学生の頃、「ホルンは複雑でユーモアのある楽器」と ピアノの先生に言われたことから、興味を持ち、はじめた。
小学生の頃からやっているため、そこそこのプライドはある。貪欲にもっと上手くなりたくて、この高校に来た。
「よろしくお願いします!!」
部室に入る時の その一声から、部活ははじまっている。
だが、高校生にとって、部活の醍醐味は、練習だけではない。
…ふと。
気づけば、
無意識に探してしまう存在が
私には、いる。
「あ、春川さん、こんにちは。」
「さっ…!佐野せんぱいっ!!
こんにちは!!」
そう、この人。
佐野奏(さのかなで)。
