「そういえばさ、中島先生に付き合ってることバレちゃったみたいなんだけど、大丈夫だった?」



「あー中島に何か聞かれた?」



なぜか苦笑いの湊くん。



やっぱりまずかったのかな?




「聞かれたんだけどね、答えに困って黙ってたら、わかっちゃったーって。」



昼間の出来事を思い出しながら、ありのままを伝える。




「ふふ、なにそれ?」




「なんだろね?私顔に出ちゃってたかな?にやけてた?」




ちょっとふざけてみたけれど、やんわりと微笑んだだけで、否定も肯定もされなかった。




少し間をおいて、湊くんが話し出す。




「…実はさ、俺もちょっと前に聞かれた。

俺たちを目撃したんだって。」




「そんなことも言ってたような。


あ、ということはバレちゃまずかったよね?ごめん!」




咄嗟に謝る私。



聞かれたのに答えてないということは、湊くんは付き合ってることを隠したかったということだろう。



そう思うと、ちょっと寂しくなって、先程の幸福感があっという間に私の心からいなくなる。