水と薬、ソファーの上に出しっぱなしだったステートを持って寝室へと戻る。




まだ少し呼吸の乱れた花穂の横に座り、薬を飲ませた。





「急に苦しくなってビックリしたよね…。

でも慌てずに吸入出来れば大丈夫だから、心配ないよ。」




花穂の頭をポンポンと撫でる。





「……うん。


湊くんが隣にいてくれて良かった…。



ひとりだったら…。」




誰だって怖いはずだ。



心細そうな花穂を両腕で優しく包む。





「最初は誰だって戸惑うよ。

ま、発作出ないようにしっかりコントロールして行こう。」




発作は出ないようにするのが一番良い。





「…ありがとう。」




体を離して顔を覗き込むと力なく微笑んでくれた花穂。




励ますようにくしゃくしゃっと頭をなでる。





「さーて、胸の音聴いてもいいかな?」