「あ、点滴終わったね。」




湊くんのその言葉と共に、私もゆっくりと身体を起こした。




背中に枕を挟んで寄りかかれるようにセットしてくれる湊くん。






「一回診察しようか。」




抵抗する気も起きず、されるがままの私は、聴診器を当てる目の前の彼をぼんやりと見つめていた。







「……湊くんって、」





「しー。聴診中だよ。」





湊くんにもう少し我慢してて、と諭される。





けど、彼の忠告には耳を貸すことなく、次の言葉がするっと口から出てしまった。






「いつもそんなにかっこいい顔で聴診してるの?」