幸い空いていた診察室へと入り、花穂をベッドへと降ろす。




ヒューヒューと花穂から聴こえる呼吸音。





とりあえず気管を広げないと。





看護師に点滴の準備をお願いし、花穂に声を掛けながら酸素マスクを付ける。




咳き込みはまだ治まらない。





「大丈夫。落ち着いてね。頑張って深呼吸しよう。」




軽く診察を済ませたところに点滴到着。




「薬入れるね。すぐ楽になるよ。」



花穂が小さく頷く。






しばらくすると薬が効いてきたようで、段々と状態が落ち着いてきた。



その経過にほっと胸を撫で下ろす。




それでもまだぐったりとしている花穂を見て、点滴が終わるまで横になるよう促した。