診察室へ入って花穂をベッドに座らせた。



ゆっくりゆっくり歩いてきたつもりだったけれど、それでも花穂は少し息が上がっている。



聞きたいことは山程あるけど、今は診察が先だな…。




「もう苦しくない?

ちょっと診せてもらってもいいかな?」





「……うん。」




花穂の返事を聞いてから、聴診器を取り出した。




ごめんね、と声を掛けながら、制服の下に聴診器を滑りこませ、耳を澄ませる。




……心音はオッケー




呼吸音は……





これって…






静かに呼吸を繰り返す花穂からそっと聴診器を抜いて、そのまま肩にかけた。