夕方、この日のために新しく買ったワンピースに身を包み、私は待ち合わせ場所へと向かっていた。



指定された場所へ着くと、陽太がもう車で迎えに来てくれていた。



運転席に座る陽太から“乗って”と声がかかる。




助手席に乗り込むと、



「お誕生日おめでとう。」



との言葉と共に花束を渡された。




「わぁ、ありがとう!」




運転席に座る陽太は細身のスーツに身を包んでおり、正直とてもかっこいい。




少し気合い入りすぎかなと思っていたワンピースも、陽太と並ぶと違和感なく、むしろこのワンピースを着てきて良かったと内心ほっとする。




「じゃあ行こうか。」




「どこ行くの?」




「着いてからのお楽しみ。」