特別扱いしてください

病院へ来て、受付カウンターや診察室を実際に見てしまったら、佐藤さんの事を思い出して苦しくなるのではないかとの不安が少なからずあったのだけど、幸いそのようなことは起きなかった。


むしろ、一人でやる仕事は自分のペースで出来るし、指導係をしていた時と比べて体力的にも気持ち的にもとても楽に感じた。




“人に教えるって大変なんだなぁ…”




私の場合は特別大変だったのかもしれないけれど、誰を教えるにしたって自分のペースで日々の仕事が出来ないということはストレスだ。



私に仕事を教えてくれた美咲さんを改めて尊敬する。





“だけど、しばらくは指導係はやりたくないかな…。”




散々な目にあってもう懲り懲り。




知らぬ間に苦笑いが漏れる。





「花穂ちゃん、今日は先に休憩入っていいわよ。」



そんな後ろめたいことを考えていた時に急に声をかけられて、ビクッと体が反応してしまった。