「それは私の指導が行き届かなかったからです。だから中島先生にもご迷惑を…。」



「でも、すぐ改善されたのは桜井さんのお陰だよ。それに彼女は桜井さんに迷惑かけたくてやってたんだから、残念だけどいくら頑張っても彼女は成長しなかったはずだよ。」




「そうかもしれませんが、だからといって先生たちや患者さんに迷惑をかけて良いということにはならないかと…。」



そのプロ意識は素晴らしい。



だけど、、、





「じゃあ尚更桜井さんは辞めちゃダメだよね！」




「あ、、」




何かに気付いたような桜井さんの声が聞こえてくる。





「うん、それこそたくさんの人に迷惑がかかっちゃう。

桜井さんがさ、自分の気持ちがよく分からなくなってるのは、いろんなことをぜーんぶ混ぜて考えてるからだよ。

今、仕事を辞めたくない気持ちには気付けたよね？


じゃあ湊とは別れたい？

シンプルに自分の気持ちだけ考えてみて？」