体調どう?などと当たり障りのないことを少し話した後、今日は謝りに来たんだとストレートに桜井さんへ伝えた。



「ほんとにごめんっ!

気付いてあげられなかったばかりか、俺、余計に追い込むようなこと言っちゃって。」




「いえいえ、中島先生は悪くないですよ。先生は患者さん想いなだけです。」




「桜井さぁ~ん(泣)」



優しい!優しすぎるよ!





「中島、嘘泣きはいいから。

それで結局彼女の目的は俺との接触だったんだよな?

なんで花穂に手出したんだ?」




「それはそうなんだけど、どうやら桜井さんだけじゃなく、湊に好意を寄せているスタッフを順番に排除していくつもりだったらしい。」




「そんな…。」



桜井さんから悲痛な声が聞こえてくる。




「なにかのきっかけで桜井さんがうちで働いているのを知って、まず手始めに病院辞めさせて遠ざけてやろうと思ったみたいなこと言ってたよ。

結局桜井さんが湊と2人きりになるのを止めたくて、突っ込んじゃったみたいだけどね。」




「彼女も肺炎で入院してたからな。

再診日とかに働いている花穂を見る機会はあったかもしれない…。」



湊の推察はきっと合っているのだろう。




でなければ、桜井さんをピンポイントでターゲットにするのは難しい。




「桜井さんは辛かっただろうけど、頑張って耐えてくれてたお陰で他の被害者を出さずに済んだ部分もあるんじゃないかな。」