「しないと、ダメ?」




花穂からの珍しい返答に、不謹慎にもなんだか子供みたいで可愛いな、なんて思ってしまう。




「しないとダメだよ。」



花穂と目線を合わせ、優しく返す。



「やりたくない。」




おっと。反抗期かな?



だけど、駄々っ子への対応は職業柄慣れてるんだよね(笑)




「花穂ちゃん、吸入しないと呼吸がまた苦しくなっちゃうよ?」




「子供じゃないから騙されないもん。」




そう来ますか。



これは俺に甘えてるんだな。



よし。





「おいで。」



花穂を抱えてソファーに座り直す。




「花穂がこれ以上苦しい思いをするのは俺、嫌だよ。」




そう伝えてぎゅーっと抱き締めてあげた。





「どう?出来そうかな?


お口開けて?あーん。」




「やだって言ってるもん。」




「かーほ。そんなに自分をいじめないで。

吸入して楽になろうよ?」