ガチャっとドアが開く音に反応して花穂が振り返る。



と思ったら、泣いてたことを隠したかったのか、膝に顔を埋めて俯いてしまった。




「おはよう。そんなところで何してるの?」



泣いてたことは知っているが、何気ない感じを装って隣に腰を下ろす。




「なにもしてないよ。外見てただけ。」




声が震えている。






「泣いてたこと、隠さなくてもいいのに。」




花穂がハッと息を飲むのが伝わる。




泣いていた顔を見せるのが嫌なのだろう。





なかなか顔を上げない花穂を引き寄せ、後ろから抱き締めるような形でソファーに座り直した。