白衣を掴んでいた花穂の手をそっと握り、



「大丈夫。心配いらないよ。」



と声をかける。




納得したのかは分からないけれど、花穂からそれ以上の言葉はなかった。





「ガーゼ外すね。」




とりあえず中島が帰ってこないことには、中島がどう思っていたのかも、あの子がどうなったのかも分からない。




俺は俺にできることを花穂にしてあげよう。






ガーゼを外し傷を見ると、浅くはないけれど、縫う必要はなさそうだった。




「縫わなきゃダメかな?」




真剣に診察していた俺に不安そうな声を投げかける花穂。