「さて、腕の傷もう一回みようかな。」




花穂の頭をポンポンとなで、再びベッドの反対側へと移動した。




ベッドサイドで椅子に腰掛けると、花穂が弱々しく手を伸ばし白衣を握ってきた。





「ん?どうした?」





「…佐藤さん、どうなったかな?」





「さあな、中島が上手くやってくれてるとは思うけど。」





「私、佐藤さんの指導上手くできなくて、中島先生にもたくさん迷惑かけちゃったんだよね…。」




なるほど、だから中島も花穂の体調把握できなかった訳か…。




「あの様子だと、あの子わざと花穂に負担かけてた可能性もあるよ。

だから落ち込むのはもうちょっと待とう。

中島が帰ってきたら少しは分かるんじゃないかな。」