「じゃあさくっと点滴も片付けちゃおう!」




その言葉と共にあっという間に消毒される腕。




陽太がちらっと私の様子を確認する。





「花穂さ、ごはん食べれてなかった?」




ーーーっ!




その話題はもう回避できたと思ったのに、やっぱり陽太は見逃してくれなかった。



怒られると思っていたけれど、尋ねる声はすごく優しい。






「ーーー心配、かけてごめんね。」





「そっか。はい、点滴終わったよ。」






あっという間に刺さった点滴にも、陽太がそれ以上聞いてこないことにも私は内心ビックリしていた。