「花穂!ごめん、ずっと辛い思いしてたんだね。」



花穂の口からはまだなにも聞いていないけれど、粗方の察しはついた。



発作が起きているのは明らかで、すぐにでも治療が必要だけれど、その前に少し心のケアをしてあげたい。




二人きりになった診察室でそっと花穂を抱き寄せた。




「もう大丈夫だよ。」




優しく声をかけると、静かに涙が頬を伝った。




俺の腕の中で荒い呼吸を繰り返す花穂が痛々しい。