しばらくの沈黙の後、少し気まずそうに桜井さんが口を開いた。



「もしかして…


昨日気付かれてたんですか?」




あ、俺が見破ったと思って驚いてるのか。




「あ、いや、昨日さ湊から聞いて。俺、湊と大学同じなの。」




「湊くん…?」



ぽかんとした表情で何やら考えている様子だ。




「あー、そういう事でしたか!


ご心配お掛けしてすみません。今日は大丈夫です!」




どうやら頭の中で話が繋がったらしく、営業スマイルを添えてありがとうございますとお礼を言う彼女。




うーん、これ以上は聞き出せないかな…。



諦めよ。




「湊も心配してたよ?連絡いれてあげたらどうかな。」



ニコッとそれだけ伝えて、俺は病棟へと向かった。