翌朝、昨日の湊の話が気になって、病棟回診前に外来へと顔を出してみる。




あ、いたいた。




探すまでもなくお目当ての人はすぐに見付かった。






「花穂ちゃーん、これお願いねー。」



「はーい!」




そんなやり取りが聞こえてきて、少し安心する。




良かった。元気そうじゃん。






「おはよー。桜井さん、この書類書いといたよ。」




受付カウンターへと近付き、忙しそうな彼女に声をかける。




「中島先生!?


今日外来担当じゃないのに…。わざわざすみません。」




俺の姿を見てびっくりしたかと思えば、すぐに申し訳なさそうに謝ってくる。



このくらい全然いいのにな。




「いえいえ。


ところで桜井さん、昨日体調良くなさそうだったけど、今日は大丈夫なの?」




唐突に話を切り出すと、彼女はえ!っと固まってしまった。