「あー!桜井先輩やっと来たー。

もーリサ待ちくたびれましたよー。」




大きな声で話す彼女に、周りの人の視線が集まる。



「先輩が遅刻とかやめてくださいよ!」




「ご、ごめんね。少し前に来てたんだけど、準備してたから、声掛けるの遅くなっちゃって…。」




「もぉ~仕方ないなぁ。行きますよ、先輩♡」




二人で歩き出すと彼女の顔が近づいてきた。





“残念。来ないのかと思ったのに。”





小声だったが確かに聞こえた言葉に、心臓がざわざわと波打った。