「花穂、こっちのベッドおいで。」



準備が整ったらしく、薬を抱えた陽太に呼ばれる。




素直に指示に従い、ベッドに横になった。





「左に入れるね。今ちょっと息苦しい?」


 
陽太、完全にお医者さんの顔だ…。


 

「…少し。」




「そっか、だから気付いたの?」





会話しながらも、点滴の準備は進められていく。




消毒のひんやりとした感覚を腕に感じる。





「ちょっとチクッとするよ。力抜いててね。」





すんなりと入った針を固定してくれている陽太を見ながら、私はこれまでの経緯を話し出した。