桜井さん、大丈夫そうで良かったな。



でもしばらくは気にかけといた方がいいか…。





「先生、最初の患者さんです!」




あ、はいはいー。



えーっと、さわだひなたくん、ね。





ガラッ


「失礼します。」




お母さんに手を引かれて入ってくる、ひなたくん。




「おはよう、ひなたくんだね?」




少しでも不安を取り除いてあげたくて、優しく声をかける。




「ここの椅子座れるかな?」




自分で歩いてはいるものの、見た感じぐったりとしている。




返事はなく黙ったままだけど、それでもひなたくんは遠慮がちに椅子に座ってくれた。