夕方。


昼間の様子が気になって、小児科の受付カウンターを覗いてみたが、花穂の姿は見当たらなかった。




スマホにも連絡はない。




連絡がないということは大丈夫だったのだろうか…?





ふと、小児科に大学の同期がいたことを思い出す。



そうだ、挨拶ついでにあいつに聞いてみようかな…。






「中島先生ってまだいる?」



カウンター内に一人残っていた事務の子に声をかけると、診察室で仕事していらっしゃると思います、とのこと。




患者さんはいないので、声掛けてみて下さい。と言われ、促されるまま診察室の前へと足を運び、ドアをノックした。