「……うーん、ん……?」
湊くんを起こしたくなくて、必死で抑えようと頑張っていたのだが、どうやら願い叶わず目を覚ましてしまったようだ。
「ーーっ!花穂!?」
息の荒い私に気付いて飛び起きる湊くん。
「ハァハァ…だ、いじょぶ。ちょっと…ハァハァ……びっくりした…ハァ、だけだか…ら。」
その言葉を聞いた湊くんは、聴診器には手を伸ばさずにさっと側により抱きしめてくれた。
「大丈夫。側にいるからね。」
耳元でそう囁かれる。
それ以上湊くんは何も言わず、何も聞いてこない。
湊くんの暖かさを感じて安心したのか、呼吸が徐々に落ち着いてくる。
「…ありがと、もう大丈夫。」