中島の言葉に反応して、高橋が立ち上がった。


俺の前まで歩いて来て、真っ直ぐな目で見つめてくる。



「湊くん、花穂のことよろしくね。また来るねって伝えてくれる?」


「わかった。今日はごめんね、お見舞いありがとう。」





中島たちを見送った後、一人ベッドサイドへと戻り、椅子を寄せる。



「……辛い思いさせてごめんな。」


眠っている花穂の手を握り、そっとつぶやいた。