「ん…お昼よりはましかな。

清水先生が解熱剤入れてくれたから。」




「そっか。少し話したいんだけど、いいかな?」




そう伝えると少しベッドを起こして体勢を整えてくれた。




聞いてくれるということだろう。




お見舞い用の椅子を花穂の近くまで引っ張っていき、腰を下ろす。




辛くなったら我慢せずに言ってね?


そう前置きして俺は話し始めた。




「花穂さ、この間のことがあってから、俺のこと独り占めしちゃいけないと思ってるよね?

患者さんは他にもいるんだから私は我慢しなきゃって。」




違ってたら指摘して、と声をかけるが、花穂は頷くだけだ。




「花穂がそう思うなら尊重しようって花穂任せにしてたけど、やっぱりそれじゃダメだと思ったんだ。

あの時すぐ気付いてあげられなかったのに、こんなこと言う資格ないかもしれないけど……



どんな時でも俺は頼ってほしいと思ってる。」




俯いたままの花穂。




「もっと思ってる事をぶつけてくれていいんだよ。


一番に自分の気持ちを大事にしてほしい。



これ以上我慢しないで?」