「まだ気持ち悪い?吐き気止め入れようか…?」




そんなことしか掛ける言葉が見つからない。




だけど、花穂は首を横に振った。





「…いい、大丈夫…。」




完全に拒否された…。




「ん、わかった。いつでも言ってくれていいからね?


じゃあ、新しい点滴準備してくるよ。」




後悔が残る中、何か手を動かしていないと気まずくて、無惨に抜かれた点滴を片付ける。




「……忙しいのに、点滴…抜いちゃって…ごめ…ん。」




そんなこと、言わないで。





「花穂が謝る必要ないよ。」




「でも…


湊くんは…


私だけの……先生じゃない…から…。」