特別扱いしてください

コンコン


「失礼しまーす。」




少し休もうと目を閉じたところに、誰かが近づいてくる気配がして再び目を開ける。



シャッとカーテンを開けて入って来たのは湊くんだ。





「早速だけど、点滴するねー。」




私が返事をする間もなく、テキパキと準備が進められていく。




「よし、じゃあ左がいいかな?」



怠すぎて答える体力が残っていない。




そんな私の様子をわかっているのか、湊くんは淡々と針を刺し、点滴をつないでくれた。





「終わったよー。


…花穂、熱また上がったね。解熱剤も処方しておいた方が良さそうだね。」




そっと私の首元に触れ、少し厳しい顔をする湊くん。




そんな湊くんを見つめ、やっとの思いでありがとうとだけ伝えた。