「自分から診察室来たのはじめてじゃない?

どうしたの?」



ここに座るまでもフラフラしてたし、熱でもあるのだろうと予想しながら質問する。




「賭けに負けた…。」



「…賭け?」



思っていた答えとは違うものが返ってきて、拍子抜けする。





「あ、いや、なんでもない…。」




なんだろ?




「…それで、体調悪いんだよね?」



少し待ってみたが、それ以上花穂からの発言は無さそうなので、こちらから改めて聞いてみる。




「熱…でた。」




あぁ、やっぱりか。




「測ったの?」




「中島先生に言われて…。」




中島、花穂の体調のこと気にしてくれてるんだな…。





「そっか。測ったのさっき?何度だった?」





「…8度5分。」





「結構あるね。清水ー、採血のオーダー入れてくれる?」




了解でーすの返事と共に、清水が診察室のパソコンを触りだす。