「付き合ってください!!」
新学期になりまもないこの季節。
桜が蕾から桃色に変わるこの季節。
誰も居ない放課後のうさぎ小屋。
彼女の綺麗な髪が暖かい風に揺らいでいる。

僕は入学式のときに、高谷日愛さんに一目惚れした。
透き通った白い肌。茶色ぽっい艶のある髪。まつげは長く、目はぱっちり二重。
これ以上の女性はいない。一目見ただけでそう、確信した。

高谷さんに思いを寄せるようになり、今年で1年になる。
親友の松島優樹には、
「早く告った方がいい。じゃないと俺みたいに…なるぜ。」
そう言われた。
確か…優樹は好きだった子にいつか告白を…と、ウジウジしているうちに先輩に先を越されたんだっけ…?
僕は、そんなふうになりたくない。
高谷さんは、この美貌の持ち主だ。
狙っている奴らは沢山いるだろう…。
でも……。 もしも…。振られたら…?
そんな気持ちが僕の心を不安でいっぱいにした。