「まぁ俺強いし、なかなか喧嘩売ってくるやついねーから大丈夫だろ」

「...そーいう問題かなぁ?」

「日向がやべー時はお兄ちゃんが助けるからさ!お願い!」


パンッと手を合わせ日向にお願いする。
結構な弟溺愛の俺ですが日向も結構なお兄ちゃんっ子なわけで。


「...僕、真面目に授業受けてるの。だから蒼依、サボらないでね。これも条件だから」

「楽勝!!」


こんな時は双子のありがたさを感じるわ。
一応一卵性の双子なんだが、日向は女顔よりなんだよな。
まぁ、目元が少し似てないだけであとはあまり変わりがないから気づかれないだろう。


ありがとうのハグをしに行くと、子どもじゃないとはねのけられたが夏休みを確保できる喜びが勝っていた。
でも多少は傷ついてるからねお兄ちゃん。


鼻歌と傷心と気分がコロコロ変わっている俺はまだ気づかない。
このやり取りが俺たち双子にとっての岐路になっていたことを。