「もう、疲れた…」

ぐったりとした様子のカナのポニーテールは、汗で濡れている。

「お疲れ様、カナ」

「お疲れ様、みさ…」

わたしは、カナの顔の上に濡れタオルを被せた。

「冷たい…、でも気持ちいい…」

カナは、濡れタオルを手で押さえてムクっと起き上がる。

「和泉、」

「何でしょうか」

「カレー作りでは、あたしのことをキレさせないでよ」

「もし、キレさせたらどうなるんです?」

「手をすべらせて、あんたのことを刺すかも」

「……」

「あはははっ!!」

カナの脅しに、黙り込む和泉くんに、カナが楽しそうに笑った。