咲真くんが、頬杖をつきながらこちらを見ていて。

「ほ、微笑んでたかなぁ??」

「うん。絵描けそうだった。疲れた?」

「いや、うーん、どうだろ…」

まだ月曜日の一時間目だしなぁ、と首をかしげていると、教室の外でこちらを見ている女の子と目が合った。

その目線の先にいるのは、咲真くん。

咲真くんは、林間学校のバク転以降、モテモテなんだ。

普通にカッコいいし、バク転なんかされたら、メロメロになるのも分かる。

と、わたしの目線の先を見た、咲真くん。

途端に女の子は、笑顔で頬を染める。

そのまま、走って自分のクラスに帰って行った。

顔を戻した咲真くんは、なんともいえない顔で。

「……モテモテだね」

「そんなことないよ……」

そのまま、机につっ伏す咲真くんに、わたしは、笑顔になった。