「昨日の夜にね、涼ちゃんが悠ちゃんと隼人君を伏見稲荷に案内するんだって恭介パパや志織ちゃんに話してるのを聞いてコンも久しぶりに帰ってみたいって思ったんだって」
「でも、そんなのは無理だって諦めようとしたんだけど」
「朝、涼ちゃんのリュックが開いてるのを見て飛び込んだんだって」
みんなが口々に説明する。
そして
「僕が起きてたら止めるなり送り出すなり出来たんだけど」
わん吉が申し訳なさそうに
「陽菜ちゃん、ごめんね」
「わんきち」
ギュッとわん吉を抱きしめて
「わんきちはわるくないよ。それにひなだっておうちからとおくはなれてたらかえりたいっておもうもん。ほらママだってたかとうのおうちにかえるじゃない、それといっしょだよ。コンもふしみいなりってきいたから」
陽菜ちゃんは分かってくれた。
「陽菜ちゃん」
わん吉が陽菜ちゃんの胸に鼻を押し付けた。
甘えてるわん吉を見てみんな(もちろん僕も)も陽菜ちゃんに飛び付いた。
「キャッ!みんな」
陽菜ちゃん『キャハハハ』って笑ってるよ。
みんなが口を揃えて
「陽菜ちゃん大好き!」
「ひなもみんながだ~いすき!」



