「陽菜ちゃん陽菜ちゃん」
「わぁ~みんなきてくれたんだ」
一日ぶりの陽菜ちゃん。
とびきりの笑顔で迎えてくれた。
やっぱり会えて嬉しいよ。
「コンはみつかったの?」
「うん、見つかったよ」
「えっ、どこどこ?」
陽菜ちゃん辺りをキョロキョロ。
「いないよ」
「うん、よく聞いて」
「うん」
「コンはね、涼ちゃんのリュックに潜り込んで着いて行っちゃったの」
「えっ、おにいちゃんのリュックにもぐりこんで?な、なんで?あ、もしかして」
陽菜ちゃんちょっと悲しそうな顔になったよ。
どうしたのかな?
「コンはひなよりおにいちゃんのほうがすきなのかな」
えっ!
「ち、違うよ。着いて行ったのは」
「今回の涼ちゃん達の旅行の最終日が京都だからだよ」
そうなんだ。三泊四日の旅行、その二日目、野球が終わったら三人は京都の小雪お姉ちゃんのお家に泊まることになっている。
悠ちゃん隼人君兄弟はまだ京都に行ったことがなく、もちろん大文字も見たことがないから小雪お姉ちゃんが招待してくれたんだ。
陽菜ちゃんももちろん行きたがったんだけど和君や双子ちゃんから『いっしょに』って言われたら仕方ないよね。
で、また秋か冬に連れて行ってもらうことを約束したんだ。



