タワーマンションのしかも最上階を買おうと
思うのなら、かなりの資金が必要だ。

正直、マネージャーだけの給料で
払っていけるとは、思えないし……。

そう言うと恵梨香は、
『えっ?だってお兄ちゃん。今の仕事をする前は、
IT企業の仕事をしてたもん。
かなりの荒稼ぎしてたから
タワーマンション買うぐらい余裕でしょう。
今も株とかやっているみたいだし』
アッサリと凄いこと言ってくるじゃないか。

えぇっ!?

「ちょっと、恵梨香。
それって本当なの!!?」

『あれ?言わなかったっけ?』

聞いてないわよ!!

『大学頃から始めてかなり荒稼ぎして
活躍していたけど
愛美がウェディングプランナーになるのが夢だとか
付き合っている人の話をしたら
お兄ちゃんったら、アッサリと会社を辞めて
転職するんだもん。もう驚いちゃったよ~』

『よっぽど愛美と一緒に働きたかったんだね♡
愛美に一目惚れしてたもん。お兄ちゃん』
フフッと思い出したように笑う恵梨香。

嘘っ……でしょ!?

あまりにも驚いたため
スマホを床に落としてしまった。

瀬名さんが私のために転職をした……?
えぇっ!!?
身体中が真っ赤になったのは、言うまでもなかった。
結局私は、あの人に振り回されっぱなしのようだ。


END。