「そ、そんなの知らない……」

「知らなくて当然だ。知らせる気もなかったしな。
今回のも聞いた。自分が悪いのだから最後まで
悪者を演じるって。
大好きな人を傷つけたことを泣いて謝っていた」

「俺もそれを知ってて黙っていたから同罪だ。
チャンスたと思った。でも、本来なら
兄である俺が止めるべきだったんた。すまなかった」
恵梨香のお兄さんは、深々と頭を下げてきた。

私は、それを聞いて頭が真っ白になった。
恵梨香は……そこまでして
私とお兄さんをくっ付けたかったの!?

ブラコンにも驚きだけど……
恵梨香の想いにも驚いてしまう。

私は、彼女の何を見ていたのだろう?

裏切られていたばかりだと思っていたら
まさかこんなにも私やお兄さんの事を
考えていたなんて。

このままでいいの?
自分にも責任があるのに
このまま縁を切って……本当にスッキリするの?

「お、お兄さん……じゃなかった。
瀬名マネージャーお願いがあります!!」