私は、急いで恵梨香の似合いそうなドレスを
選び見せる。
「そんな派手な色は、似合わないわよ!!
恵梨香は、可愛いんだからこの淡い色が似合う」

私が選んだドレスは、
薄いピンクなのだが可愛らしいレースや
リボンが付いている。
私は、似合わないけど着るなら自分の似合うのを
着てほしい。

すると目をキラキラさせる恵梨香。
「さすが愛美。私の好きなのをよく把握してる。
何これ……お姫様みたいで可愛い~」
大喜びされる。

どうやら私の選んだのを気に入ってくれたらしい。
って……ハッ!!
私なんで恵梨香のドレスを選んでるのよ?

「ねぇねぇ、愛美。
お色直しって何着までOKなの?」

「えっ?希望があれば何着でもOKだけど……」

「本当!?じゃあ、じゃあこれも着たい。
あとこれも」
そう言いながら他のドレスも着たいと言ってくる。

「いや、それならこっちの方が……」

「あ、可愛い~さすが愛美」
嫌々でやっていたはずのドレス選びが
いつの間にか日常の買い物風景になっていた。

恵梨香は、美少女なんだが
センスがいまひとつなところがある。
そのためよく私が選んでコーデしてあげていた。

智也が相手じゃなかったら
こんなに苦しまずに恵梨香のことを
心から祝福出来たのに……。