AM7:00。朝の目覚ましが鳴り、俺は眠い目をこすりながら居間に行くとテーブルの上にメモ書きがあった。『全力を出しきれ!悔いの残らない様に頑張って!』と母からのメッセージがあった。試験の集合時間は8時15分で着席は8時30分。俺は準備をし家から5キロ先にある会場へと向かった。会場へは8時に着いたにもかかわらずすごい人数の受験者がいた。ざっと見ても300人はいる。 俺は驚いた・・・正直こんなに人数がいると思わなかった。自信と余裕満々で来たのにそれは一瞬で消えた。俺の受験番号は1番。ここの会場の最後の受験番号は516番まであった。 ここの会場で500人・・・じゃ全国だと2000人はいるはずだ・・・俺は絶望さえ感じた。この2000人の中から採用されるのはたったの150名。昔、父に聞いた時、父は「簡単だ」って言ってたのに・・・でもここまで来た以上やるしかない。今まで勉強してきたんだ。この試験に受からなければ何も始まらない。母との約束も、父の仇もとれなくなってしまう。
俺は自分の顔を2回叩き、気合いを入れてから着席した。