嘘だろ??あの強い母が・・・母さんが倒れこんでるって・・・俺の視界が潤んできて何も見えない。言葉にして「母さん」と言いたいが言葉もでない。なんで・・・なんで・・・親父が・・・あの無敵の親父がなんで・・・俺は悔しさと悲しさで拳をICUの扉に叩きつけた・・・すると一人の警察官が「大丈夫。死ぬわけないさ。上杉さんは無敵の刑事さ。信じるんだ・・・」そう言ってる警察官からの目にも涙が・・・ 俺の親父は中央警察署刑事課捜査一課の刑事だ。ノンキャリアで叩き上げで警部まで上がった人間だ。空手は師範クラス。インターハイ優勝の経歴も持つあの親父が何者かに刺された・・・腹を刺され、首を切られたと言うのだ。俺は信じられなかった・・・高校インターハイで準優勝したことのある俺でさえまったく勝てないあの親父が簡単に刺される訳はないはずだ・・・そんな事を考えてる矢先に周りがバタバタと動きだし慌ただしく数名の看護師と1名のドクターがICUに入って行った・・・周りに動揺が走った。俺は母さんを抱えながら父が無事であることを祈り続けた・・・ 長い沈黙が続き静まり返っていたその時ICUの扉が開いた・・・