あの日の事は忘れない。 俺はまだ16才。高校一年の夏だった。部活を終え、家に帰宅した俺に一通の電話があった。出てみると「もしもし?こちら中央警察署の中村と申します。お母さんはいますか?」と言われ「母は当直なので今日は帰りません。」と答えると「職務中に父が刺され南区総合病院に搬送された。」という内容だった・・・俺は焦り携帯で母の携帯電話に電話をしようとするが手が震えボタンが押せない。するとまた家に電話が「もしもし」するといきなり「私!お父さんの搬送先の病院に今から行くからあんたもおいで!」 それだけ伝え母の電話は切れた。俺は恐怖感、不安感を持ちながら自転車で家から5キロ先にある南区総合病院へと急いだ。 着いてすぐ看護士さんが走ってきて「上杉さんの息子さんね!?急いで!お父さんは危険な状態よ!」病室に着くと部屋の前には崩れるように倒れこんでる母と、警察官が三人いた。父はICUに入っていた・・・