しかし、県が変わるとなれば当然志望校も変更しなくてはならない。

そこを僕の両親は心配していたが、元々行きたい高校も無かった為それも問題なかった。

 こうして僕は今日めでたくも新生活を始めるに至ったわけだけども、いかんせん夏休みなので学校はなく、転入先の中学校から送られてきた宿題も、受験生を考慮してか少なかったので既に終わらせてしまっている。

受験勉強は今までの積み立てと、ある程度の時間すれば問題ない。

今までやることが無くてこつこつと積み立ててきた成果に自分で小さく拍手、しようと思ったがあまりにも悲惨な状況になりかねないので、心の中で小さく押しとどめる。

二、三回の短い拍手を終わらせた僕は引っ越したばかりで、ダンボールが積み重なっている部屋を眺めながら今後の計画をたてる。

県を跨いでの引っ越しだったので、せっかくだからと、小旅行を兼ねて車で移動して、途中途中寄り道をして、やっと着いたのが二日後の朝。

つまり今日の朝に到着したわけだから、少しは休みたいところだけど、一度寝てしまったら、起きる自信が無いので、一休みはなし。

ならば、荷物は見た目よりは少ないはずなので、夕方まで片付けをして目途がたったら散歩がてら息抜きをしに外に出よう。

そう決めて、僕は荷解きにかかった。